LEN + PEM は進行・再発子宮体癌に効果がある

Lenvatinib は multi-kinase inhibitor である。Pembrolizumab は免疫チェックポイント阻害薬(抗 PD-1 抗体)である。

Study 309-KEYNOTE-775 (2022年)は、プラチナ製剤を含む前治療歴のある進行・再発子宮体癌に対する Lenvatinib + Pembrolizumab と、化学療法(PTX 単剤または DXR 単剤)を比較した第3相臨床試験である。それによれば、ミスマッチ修復機構の破綻の有無に関わらず前者の方が OS も PFS も長かった。

優越性試験、非劣性試験、同等性試験の読み方は、拙著『婦人科がんの分子病理学と治療レジメン』で図解して説明しています。

TC 療法は TI 療法に対して非劣性である(癌肉腫)

GOG-0261(2022年)は子宮または卵巣の癌肉腫を対象とした第3相臨床試験である。それによれば、TC(PTX + CBDCA)療法は TI(PTX + IFM)療法に対し、OSにおいて非劣性である。

優越性試験、非劣性試験、同等性試験の読み方は、拙著『婦人科がんの分子病理学と治療レジメン』で図解して説明しています。

AP(DXR + CDDP) 療法レジメン

◆婦人科での保険適用

子宮体癌(術後化学療法、転移・再発時化学療法)

◆減量基準

患者の状況によりDXRを15 mg/m2ずつ減量する。

◆Emetic risk:high

◆投与周期と回数

28日毎、8 cycle。DXRの総投与量が多くなるため、8 cycle目はCDDP単剤を投与する。Hydrationやマグネシウム補充などが必要である。

◆投与方法

Rp抗がん剤投与量投与時間投与日
1DXR60 mg/m230 minDay 1
2CDDP50 mg/m21 hDay 1
拙著『婦人科がんの分子病理学と治療レジメン』もご参照ください。
子宮体がんに使う薬物療法レジメン

DP(DTX + CDDP)療法レジメン

◆婦人科での保険適用

卵巣癌、子宮体癌

◆減量基準

患者の状況により20%ずつ減量する。

◆Emetic risk:high

◆投与周期と回数

21日毎または28日毎、6 cycle。

◆投与順と投与量

Hydrationやマグネシウム補充などが必要である。

Rp抗がん剤投与量投与時間投与日
1DTX70 mg/m21 hDay 1
2CDDP60 mg/m22 hDay 1
拙著『婦人科がんの分子病理学と治療レジメン』もご参照ください。
卵巣がんに使う薬物療法レジメン
子宮体がんに使う薬物療法レジメン

TP(PTX + CDDP)+ Bev 療法レジメン

◆婦人科での保険適用

(TP療法):卵巣癌、子宮体癌、進行または再発の子宮頚癌、再発または難治性の胚細胞腫瘍

(TP + Bev療法):進行または再発の子宮頚癌

◆減量基準

患者の状況により以下のように減量する。

 PTXCDDP
通常投与量175 mg/m250 mg/m2
第1段階減量140 mg/m237.5 mg/m2
第2段階減量105 mg/m225 mg/m2

◆Emetic risk:high

◆投与周期と回数

21日毎。CR(Complete response)となるか、PD(Progressive disease)となるか、有害事象により続けられなくなるまで継続。

◆投与順と投与量

Hydrationやマグネシウム補充などが必要である。

Rp抗がん剤投与量投与時間投与日
1PTX175 mg/m23 hDay 1
2CDDP50 mg/m21 hDay 1
3(Bev)15 mg/kg90-30 minDay 1
拙著『婦人科がんの分子病理学と治療レジメン』もご参照ください。

卵巣がんに使う薬物療法レジメン
子宮体がんに使う薬物療法レジメン
子宮頚がんに使う薬物療法レジメン