PARP inhibitor は卵巣癌の OS を延長しないかもしれない

Cochrane review によれば、卵巣癌化学療法後の PARP inhibitor による維持療法は、OS を延長しない可能性がある。しかし PFS は延長する。

以上に加え、以下の可能性もある。

  • 化学療法に PAPR inhibitor を併用しても卵巣癌の PFS を延長しない。
  • プラチナ製剤感受性再発卵巣癌に対する治療では、化学療法と PARP inhibitor で OS に有意差はない。
  • プラチナ製剤抵抗性再発卵巣癌に対する PARP inihibitor の効果は meta-analysis が行えるほどの evidence がない。
Archie Cochrane につきましては、拙著『婦人科がんの分子病理学と治療レジメン』のコラムもご参照ください。

dose dense TC 療法は、TC 療法と比較し、卵巣癌の OS を延長しない

Cochrane review によれば、卵巣癌に対するTC 療法と dose dense TC 療法の初回治療効果を比較し、両者で OS に有意差を認めなかった。PFS は dose dense TC 療法の方が長かった。ただしこの meta-analysis は厳密な意味では TC 療法と dose dense TC 療法を比較したものではなく、PTX を weekly で投与する効果を調べたものである。

この Cochrane review は、GOG-0262 試験、ICON-8 試験、JGOG-3016 試験、MITO-7 試験の meta-analysis である。これらのうち最初の3つの試験は TC 療法と dose dense TC 療法との比較であるが、最後のMITO-7 試験は TC 療法と weekly TC 療法との比較である。また、GOG-0262 試験では 84%で Bevacizumab が併用されているが、他の試験では Bevacizumab は併用されていない。

Archie Cochrane につきましては、拙著『婦人科がんの分子病理学と治療レジメン』のコラムもご参照ください。